体外受精は不妊に悩む夫婦とって貴重な選択肢となりますが、いくつかのデメリットも存在します。
多くの人にとっては、メリットの方が大きいものですが、デメリットについても知っておいた方がよいでしょう。
この記事では、体外受精のデメリットとメリットについてご紹介します。
ここでは、体外受精で考えられるデメリットについてお伝えしていきます。
体外受精では複数の胚を移植することが一般的で、これが多胎妊娠(双子や三つ子)の確率を高めます。
多胎妊娠は、母体と胎児にとってリスクが増大します。
母体には妊娠合併症のリスクが高まり、早産や帝王切開の可能性が増加します。
胎児には、低出生体重や発育遅延などのリスクが高まる可能性があります。
体外受精を行う際は、ホルモン注射、頻繁な医療検査、侵襲的な処置を伴うため、精神的なストレスがかかることがあります。
また、治療が成功するかどうかの不確実性も、精神的な負担の増加の要因になります。
ストレスから夫婦間の関係にも影響を与えることがあるので注意が必要です。
サポートとカウンセリングが必要となる場合があります。
体外受精は高額な治療ですので、もしも何度も治療を受けなければならなくなれば、経済的な負担になります。
治療費には、薬剤、手術、検査、および培養過程が含まれます。
一般的に費用は治療サイクルごとに発生するため、複数のサイクルが必要な場合、経済的な負担はさらに大きくなります。
体外受精には、デメリットもありますが、当然多くのメリットもあります。
ここでは、体外受精のメリットについてご紹介します。
体外受精は、閉塞性不妊症、子宮内膜症、男性の不妊問題、未解明の不妊など、多様な原因による不妊に対して有効です。
高度な技術を用いて精子と卵子を体外で受精させることで、自然妊娠が難しい夫婦においては妊娠を目指せる大きなチャンスを提供します。
体外受精では、胚を遺伝的にスクリーニングして特定の遺伝病を持たないことを確認できます。
遺伝的な疾患や異常がある胚を事前に除外し、健康な胚のみを移植することで、健康な妊娠を実現する可能性を高められます。
生まれてくる子供が特定の遺伝的条件を持つリスクを減らし、カップルにとっての精神的負担を軽減します。
第1子の治療で受精卵をたくさん凍結できれば、第2子以降は身体への負担が軽い移植のみとなります。
何よりも卵子の老化は凍結時でストップし、品質を維持できるメリットがあります。
これにより、ライフプランに合わせた治療が可能となり、将来的な子育ての選択肢を広げます。
将来、生殖能力が損なわれる可能性がある場合(例えばがん治療を受ける前など)、体外受精のために卵子や精子を凍結保存することができます。
治療後に妊娠を希望する場合でも、生殖能力を保つことが可能になります。
保険適用範囲の拡大により、体外受精にかかる費用負担が減ってきています。
以前は経済的な理由で体外受精をためらっていたカップルも、治療を受けやすくなっています。
また、体外受精を含む生殖補助治療(ART)のための補助金や助成金も条件が合えば利用できます。
体外受精のデメリットとメリットについてご紹介しました。
体外受精はデメリットを覆すほどのメリットがあります。
特に2022年から始まった保険適用によって、体外受精に挑戦できる土壌が整ってきました。
ただし、個人個人が置かれている状況によってはデメリットにも目を向け、自分に体外受精は向いているのか判断が必要になってきます。
参考にしていただけたら幸いです。